一人っ子はかわいそう?

子どもを何人持つかというのは、人生の中でも大きな選択になります。
経済的なことや自分のキャリアのこと、子どもにかけられる時間。
さまざまなことを考慮して一人っ子という選択をするママもいるでしょう。
あるいは、兄弟姉妹を作ってあげたいという思いがあっても、理由があって実現できないケースもあるかもしれません。
ただ、一人っ子というとふと耳に入ってくる「かわいそう」という言葉。
「子どもがかわいそう」と言われれば、そうなのかなと悩んでしまうのがママですよね。
わたしには現在0歳の娘が一人います。
そして、娘はこのまま一人っ子で育てていきたいと思っています。
「一人っ子はかわいそうだよ」とダイレクトに人から言われたこともありますし、眠れない夜には「もしかしてかわいそうなのかな」と自分で勝手に不安になることも。
もやもやとした不安をなくしたくて、あらためて一人っ子について詳しく調べて、自分なりに考えてみることにしました。
わたしと同じように悩んでいるママの参考になればうれしいです。
一人っ子の割合はどれくらい?

一人っ子がかわいそうかどうか悩んでいるママの中には、「一人っ子=マイノリティ」というイメージを持っている方が多いのではないでしょうか。
実際に現在どのくらいの割合で一人っ子がいるのか、過去の割合からどのように推移しているのかを一緒に見ていきましょう。
実際の一人っ子の割合
2021年に実施された第16回国立社会保障・人口問題研究所の調査によると、一人っ子の割合は19.7%と結果が出ています。
つまり学校で5人組のグループの中の1人は一人っ子という感覚です。そうなると、すでに一人っ子はそれほど珍しい存在ではなくなっているように見えますよね。
さらに同調査の過去の推移をみていきましょう。
1977年:11.0%
2002年:8.9%
2010年:15.9%
2015年:18.5%
2021年:19.7%
約40年前1割程度だった一人っ子が、現在はほぼ2倍に増えています。
特に2005年以降に急増している様子がわかります。
一人っ子の割合が増えている背景

昔に比べて、一人っ子の家庭が増えているのには、どのような背景があるのでしょうか。
晩婚化・晩産化
一人っ子が増えている背景として、一番最初に挙げられるのが晩婚化と晩産化です。
女性の初婚年齢が高いほど、子どもの人数が少なくなると言われています。
現実的な問題として、女性が子どもを産める期間には年齢の制限があります。結婚する年齢が上がると子どもを出産できる期間も短くなるでしょう。
そして、ここからは30代半ばで娘を産んだわたしの所感ですが、自分の体力的にももう一人育てることになかなか自信が持てません。
第一子を出産する年齢が高かったママの中には、わたしと同じように感じている方もいるのかもしれません。産後の体がこれほどボロボロになることを、出産するまで知りませんでした。
また、子どもを出産する年齢が高いと、出産後に自分が働ける期間も短くなります。
子どもを成人まで育てあげるのにかかる費用の面から見た場合に、一人っ子が現実的という結論に繋がることも考えられます。
親が就職氷河期世代
一人っ子が増えている理由として従来から言われている晩婚化に加えて、最近は就職氷河期が子どもの人数に関係していることも指摘されています。
現在1990年代から2000年代の就職氷河期に就職活動を行った世代が、親になっています。
自分たちの生活で手いっぱいの中、複数人の子どもを育てる経済的な余裕がないこともあるでしょう。
最近の物価高や教育費の高騰も、一人っ子の選択に影響していることが考えられます。
自分のことも重視
ママとパパの子育てに関する価値観も以前に比べて多様化しています。自分たちの仕事や趣味と子育てを両立したいと考える人も多くなっているのではないでしょうか。
ママが子どもや家庭だけでなく、自分たちのためにも人生を生きたいという思いが強くなっていることも関係しているのではないかと考えられます。
昔に比べて、世の中には娯楽や人生の選択肢があふれています。子どもを育てるということ以外にも、興味を惹かれることがたくさんあるでしょう。
特に子どもを持つ年齢が高くなるほど、子どもがいない期間が長く自分たちの時間を楽しむことに慣れているかもしれません。
また、性別に関係なく輝かしいキャリアを持つ人も、それに憧れる人も増えました。
一方で、子どもができると、特に女性はキャリアに影響がでたり一時停止する必要があったりすることが少なくありません。
わたし自身、妊娠、出産、育児によって、思うように働けない歯がゆさを知りました。
子どもはかわいいけれど、子どもだけのために生きるのではなく自分の人生も大切にしたい。
子どもを持ちながらも自分の人生をあきらめたくない。
そのような考えから、一人っ子を選択する家庭も増えていることが考えられます。
一人っ子がかわいそうと言われるのはなぜ?

もうそれほどマイノリティとは言えない一人っ子。それでも「かわいそう」と言われるのはなぜなのでしょうか。
ここからは、一人っ子がかわいそうと言われる理由について解説します。
家の中で対等に遊べる兄弟姉妹がいない
一人っ子だと、家の中や家族で旅行に行ったときなどに一緒に遊べる相手がいなくなります。
特に兄弟がいる家庭で子どもが一緒に遊んでいる光景を見ている人からすると、一人で遊んでいる姿がかわいそうに映るかもしれません。
しかし、実際には子ども自身はさみしいと思っていないケースも多いものです。
もともとずっと一人っ子で育っていれば、家に年齢の近い遊び相手がいないのがデフォルトです。一人で工夫して遊ぶことにも慣れています。
また親が子どもと同じ目線になって接したり、外でお友達と遊ぶことによって解決できる問題でもあります。
将来身寄りがいなくなる
一人っ子がかわいそうと言われる理由として、将来的に頼れる存在がいなくなることを指摘される場合も多いでしょう。
多くの場合、親は子どもより先にこの世を去ることになります。残されたときに一人っ子であれば、心細いという意見もあります。
また、親のお葬式や相続の手続きなども一人で行うのはとても大変です。このときに「兄弟がいれば…」と感じる人がいるのもうなづけます。
ただ、兄弟や姉妹がいたとしても、必ずしも馬が合ってずっと仲良くいられるとはかぎりません。衝突してかえってトラブルになるケースも考えられます。
また、子どもも成長していく過程で自分のコミュニティや繋がりを作っていきます。親とお別れすることには、自分自身の家族がいることも十分にあり得るでしょう。
「一人っ子で親がいなくなる=孤独」ともかぎらず、「兄弟がいれば寂しくない」とも言い切れないものです。
自分たちがいなくなったあとに一人っ子の子どもにかかる負担が心配であれば、少しずつ身辺整理をしたり色々な準備をしたりして、子どもの負担を減らすこともできます。
親が過干渉になりやすい
一人っ子だと親の期待が過度にかかりやすいのではという心配も見られます。
複数人子どもがいる場合に分散される親の干渉や期待が、一人っ子だと一人に集中してしまいやすくなりますよね。
ただ、子どもにプレッシャーがかかるかどうかは、親の態度次第です。
子どもは親の分身ではなく意思や考えを持って個人であること、子どもには自分自身で選択して進んでいくべき人生があることを理解していれば、それほど大きな重圧を子どもにかけることはないでしょう。
逆に言えば、子どもの人数が多くても、親が子どもを思い通りにコントロールしようとすれば、子どもがプレッシャーを感じてつらい思いをするのは同じです。
一人っ子に対するステレオタイプの偏見
「一人っ子はわがまま」「一人っ子は競争心がない」というような言葉を一度は聞いたことがあるのではないでしょうか。
家の中に協力したり競争したりする相手がいない一人っ子は、自分本位で甘えた性格になるのではというステレオタイプです。
確かに、一人っ子であれば自分の意見が通りやすく、兄弟に遠慮する必要もないかもしれません。
しかし、逆に言えば争いを好まないおっとりとした性格で、独立心が育ちやすいとも考えられます。
一人っ子だから人間性に問題が出るということはないでしょう。
あなたの周りの人を思い浮かべてみてください。
兄弟姉妹がいてもいなくても、わがままな人はいるのではないでしょうか。
親が友だちに思いやりを持って接することや一緒に遊ぶことの楽しさを教え、過干渉にならずに自立を促す育て方を心がければ、一人っ子だからと心配する必要はないでしょう。
一人っ子のメリット

一人っ子がかわいそうと周りから言われると、一人っ子がネガティブなことのように勘違いされてしまうかもしれません。
しかし、一人っ子であることは家庭の在り方の一つであり、兄弟姉妹にメリットデメリットがあるのと同じように、一人っ子にもメリットとデメリットがあります。
まずは、一人っ子が持つメリットについてお伝えします。
親の愛情を独り占めできる
一人っ子であれば、ママとパパの愛情を独り占めにできます。
「自分は愛されていて大切にされている存在だ」という実感が得やすく、自己肯定感が育ちやすい環境です。
安心して過ごせる環境が、子どもの精神にもいい影響を与えます。
親から手厚いサポートが受けられる
一人っ子は、経済的にも時間的にも丁寧で手厚いサポートを受けやすくなります。
子どもが一人であれば、複数人いるよりも教育費や学費を多くかけられます。子どもは何かしたいと思ったときに、やりたいことをやらせてもらいやすいでしょう。
旅行に行ったり、欲しいものを買ってもらったりすることもしやすくなります。
甘やかしすぎがよくありませんが、たくさんの体験をさせてもらったり、自分が望むものは手に入れられるという感覚をつかんだりすることは大切なことでもあります。
また、一人っ子であれば、親の注意や関心を自分一人に引き付けられるぶん、困ったときや助けてほしいときに丁寧に向き合ってもらえるのもメリットです。
親の育児負担が少ない
一人っ子の場合、兄弟姉妹がいる家庭よりも親の育児負担が少なくなります。
それは子どものメリットではなく親のメリットだと思われるかもしれませんが、そうとも言い切れません。
親が余裕を持って過ごせることで、子どもも安定した状態で生活ができるために子どもにとってのメリットであります。
ママやパパが限界ギリギリでカリカリしている家よりも、いつも穏やかでいてくれる家のほうが、居心地がいいですよね。
そして、親のキャリアへの影響が少なくなる分、世帯年収などに影響が出ることも考えられます。
家計が豊かになれば、子どももそのメリットを享受できるでしょう。
わたしが一人っ子を選んだ理由

わたしはたくさん悩んだすえに、娘を一人っ子で育てたいという結論に至りました。
正直なところ、一人っ子を選びたいと最初に考えたきっかけは子どものためではなく自分の都合です。
出産後まで続いたつわりが本当につらかったこと、産後の体がボロボロになってつらかったこと、育児のために自分のキャリアをストップしなければならなかったこと…
自分都合の選択であったがゆえに本当にそれでいいのか悩みました。そしていろんなママ友や先輩に話を聞いたり、データを調べたりして、やっと納得する理由をたくさん集められました。
たった一人の娘に丁寧に向き合って、彼女の将来の選択肢を広げられるように頑張っていきたいです。
そして、わたしは子どもを持ちながらも、自分の人生をあきらめたくないと感じています。
わたし自身がきれいでいること、笑顔でいること、心穏やかであることが、娘のためにもなると信じています。
この記事が、同じように一人っ子で大丈夫かどうか悩んでいるママの気持ちに寄り添うものになっていればうれしいです。
迷いながら考えながら。
ゆっくり一緒に進んでいきましょう。
読んでくれたあなたの心が、少しでも心が軽くなっていますように。


コメント